UVa #11995 I Can Guess the Data Structure!

問題の概要


問題文: UVa Online Judge #11995 - I Can Guess the Data Structure!

  n個の命令文が入力として与えられる。 以下のデータ構造のうち、どのデータ構造に大した命令文であったか出力するもの。

  • Stack
  • Queue
  • Priority queue

 また、一つに限定できない場合はnot sure、どのデータ構造でもない場合はimpossibleを出力する。

解答例


 単にC++にあるstack、queue、priority queueにコマンドと同じ操作をさせて同じ挙動を取るかどうかで判断するだけで良い。 しかし、データが挿入されていない状態で、データを参照・削除をする場合の処理を忘れないように気をつける。

 以上のソースコードは以下のGithub上にて参照可能です。 github.com

データ構造について


スタック(Stack)

概要

 スタックが可能な操作は以下の通りである。

  • Push: 新たなデータを追加する操作
  • Pop: 最も最近に追加されたデータを取り出す操作

C++ におけるstd::stackの使い方

 C++ では、Pushはpush()にて、Popはtop() / pop()にて実現できる。

#include <iostream>
#include <stack>
using namespace std;

int main() {
    stack<int> st;
    
    for(int i = 0; i < 10; i++){
        st.push(i);  //スタック st に i を追加する
    }
    
    while(!st.empty()){
        cout << st.top() << " ";  // stの末尾要素を参照(出力)
        st.pop();  // stの末尾要素を削除
    }
}

 入力が0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9の順に対して、出力は9 8 7 6 5 4 3 2 1 0となる。

キュー(Queue)

概要

 キューが可能な操作は以下の通りである。

  • Enqueue: 新たなデータを追加する操作
  • Dequeue: 最初に追加されたデータを取り出す操作

C++ におけるstd::queueの使い方

 C++ では、Enqueueはpush()にて、Dequeueはfront() / pop()にて実現できる。

#include <iostream>
#include <queue>
using namespace std;

int main() {
    queue<int> q;
    
    for(int i = 0; i < 10; i++){
        q.push(i); //キュー q に i を追加する
    }
    
    while(!q.empty()){
        cout << q.front() << " ";  // qの先頭要素を参照(出力)
        q.pop(); // qの先頭要素を削除
    }
}

 入力が0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9の順に対して、出力は0 1 2 3 4 5 6 7 8 9となる。

優先度付きキュー(Priority queue; 順位キュー)

概要

 優先度付きキューが可能な操作は以下の通りである。

  • 新たなデータを追加する操作
  • 優先度が高いデータ(昇順 / 降順)を取り出す操作

C++ におけるstd::priority_queueの使い方

 C++ では、データの挿入はpush()にて、データの参照 / 削除はtop() / pop()にて実現できる。

#include <iostream>
#include <queue>
using namespace std;

int main() {
    priority_queue<int> pq;
    int inputs[10] = {0, 5, 4, 9, 2, 1, 3, 7, 8, 6};
    
    for(int i = 0; i < 10; i++){
        pq.push(inputs[i]);
    }
    
    while(!pq.empty()){
        cout << pq.top() << " "; // pqの優先度の一番高い要素を参照(出力)
        pq.pop(); // pqの優先度の一番高い要素を削除
    }
}

 入力が0, 5, 4, 9, 2, 1, 3, 7, 8, 6の順に対して、出力は9 8 7 6 5 4 3 2 1 0となる。

IJCAI2016: "Identifying Key Observers to Find Popular Information in Advance"

本記事・論文について


 本記事では以下の論文の概略を示しつつ、論文読解のための知識をまとめる。

論文: Konishi, Takuya, et al. "Identifying Key Observers to Find Popular Information in Advance." IJCAI. 2016.

※ IJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence; 国際人工知能会議): 人工知能学会分野でトップの学術会議

論文の内容


論文の概要

 本論文の目的は、観測者を経由して将来流行しそうなアイテムを前もって検出をすることである。 観測者(Observers)とは、流行する前から将来人気が出るアイテムを見つけられるユーザである。 観測者をお気に入りリストに入れることで、ユーザは流行するアイテムを見つけることができる。

 アプローチは以下のようになる。

  1. アイテムが流行するかどうかを判別する分類器を、他の人より先にアイテムを採用したユーザ集合を入力として設計する。
  2. 機械学習による特徴量選択を行うことで効率的な観測者を特定する。

流行するアイテムの早期検出の有効性

 消費者の購買行動について分類を行なっているイノベータ理論*1 がある。その中で、流行には敏感で自ら情報収集し判断を行う購買行動をとる Early Adaptors は、オピニオンリーダーとして他の消費者層に大きな影響を及ぼすとされる。

 流行するアイテムの早期検出に対して、以下のような利点の例がある。

  • 企業のマーケティング戦略を効果的にできる*2
  • 他の研究チームより先に将来流行する研究分野を特定できる。
  • おいしいレストランを有名になる前に知ることができる。

 理論的には Early Adopters の存在は証明されているが、対象となる分野によって異なり、特定することは困難とされる。

観測者を経由した流行アイテムの早期検知

 本論文では、流行アイテムのEarly Adoptersを観測者(Observers)としている。 観測者を経由することで、

  • ユーザ推薦への応用に対して簡単にカスタマイズすることが可能
  • エキスパートの行動から知識を獲得できる

f:id:farma_11:20171229015455p:plain
観測者の選択の例(本論文から引用)

 一方で、 以下のような課題がある。

  • 膨大なユーザの中から観測者として適切なユーザを選び出すことは困難
  • 既存研究 *3では、ユーザ間のネットワークが仮定されているため、電子商取引などのサービスに適用できない

 本論文では、機械学習を用いた特徴量選択を行うことで効率的に観測者を特定することを試みている。 ユーザが選んだアイテムとタイムスタンプといったイベントデータのみの利用で、観測者の予測が可能になる。

 具体的な提案手法や評価実験等は、本論文解説スライド(日本語)を参考にしてください。

論文読解の参考となる知識


(標準)シグモイド関数を用いた線形分類

 (標準)シグモイド関数(Sigmoid function)はロジステック回帰に用いられたり、NN(Neural Network)における活性化関数といてよく用いられる。

 \sigma(x) = \frac{1}{1 + \exp(-x)} = \frac{1}{2} \bigl( \tanh\bigl(\frac{x}{2} \bigr) + 1 \bigr)

 シグモイド関数は以下のような性質を持つ。

  1.  \lim_{x \to -\infty} \sigma(x) = 0, \lim_{x \to \infty} \sigma(x) = 1となり、値を確率としてみることも多い。
  2.  \sigma(0) = 0.5であり、点 (0, 0.5) に対して点対称となる。
  3. 微分可能である。( \sigma'(x) = (1 - \sigma(x)) \sigma(x)

 シグモイド関数を用いた2値分類をする際は、基本的には以下のようになる。

 y = 
  \begin{cases}
   1, (\sigma(x) \geq 0.5 \Leftrightarrow x \geq 0) \\
   0, (\sigma(x) < 0.5 \Leftrightarrow x < 0) 
  \end{cases}

f:id:farma_11:20171228005931p:plain
シグモイド関数を用いた2値分類

 以下は、シグモイド関数の描画のためのPythonソースコードである。

import numpy as np
import matplotlib.pylab as plt

def sigmoid(x):
    return 1 / (1 + np.exp(-x))

x = np.arange(-5.0, 5.0, 0.1) # -5.0から5.0まで0.1刻みで生成
y = sigmoid(x)

plt.plot(x, y) 
plt.show()

ワイブル分布(Weibull Distribution)*4

 信頼性データのモデル化に最も一般的に使用される連続確率分布である。製品の寿命予測などに用いられることが多い。

 
p(z | k, \theta) = 
  \begin{cases}
      \bigl( \frac{k}{\theta} \bigr) \bigl( \frac{z}{\theta} \bigr)^{k-1} \exp \biggl( - \bigl( \frac{k}{\theta} \bigr)^k \biggr), (z \geq 0) \\
      0, (z < 0)
  \end{cases}

 パラメータ kに対して、 k = 1のとき指数分布、 k = 2のときレイリー分布となる。

f:id:farma_11:20171229030955p:plain
ワイブル分布 W(\theta, k)の形状

 以下は、ワイブル分布 W(\theta, k)の描画のためのPythonソースコードである。

import numpy as np
import matplotlib.pylab as plt

def weibullDistribution(z, th, k):
    return np.where(
        z < 0, 0, # z < 0 のとき0をとる
        (k/th) * ((z/th)**(k-1)) * np.exp(-(z/th)**k)
        )

x = np.arange(0.0, 6.0, 0.1) # 0.0から6.0まで0.1刻みで生成
y11 = weibullDistribution(x, 1, 1)
y23 = weibullDistribution(x, 2, 3)

plt.plot(x, y11, label="W(1, 1)")
plt.plot(x, y23, label="W(2, 3)")
plt.legend()
plt.show()

その他の関数について

ヒンジ関数(Hinge function)

 SVMSupport Vector Machine)の誤差関数として知られる関数。 境界面そのものは際どいため、マージンを持たせる。

 
[z]_{+} = 
  \begin{cases}
      0, (z \geq 1) \\
      1 - z, (otherwise)
  \end{cases}

符号関数(Sign function)

 実数の符号に対して、-1、0、または1のいずれかを返す関数。

 
sign(x) = 
  \begin{cases}
      1, (x > 0) \\
      0, (x = 0) \\
     -1, (x < 0)
  \end{cases}

論文を読んだ感想


 観測者を経由した流行アイテムの予測は、実際のサービスに対しても適用が十分可能なものであると感じた。 また、本記事に取り上げている論文の内容はイノベータ理論にも関連があると感じ、記事に追加している。

 

AAMAS2015: Maor Tal's "A Study of Human Behavior in Online Voting"

論文について


Tal, Maor, Reshef Meir, and Ya'akov Kobi Gal. "A study of human behavior in online voting." Proceedings of the 2015 International Conference on Autonomous Agents and Multiagent Systems. International Foundation for Autonomous Agents and Multiagent Systems, 2015.

AAMAS (International Conference on Autonomous Agents and Multiagent Systems): 自律エージェントとマルチエージェントシステムに関する最難関国際会議

論文の内容


論文の概要

  • 目的: 複数のルール下で、様々なオンライン投票における人々の投票行動に関する包括的な研究を提供すること。
  • 問い: オンライン上における多数決投票において、どのような投票戦略がされ、戦略に影響する環境要因は何か?

投票(Volting)とは

投票の重要性

 投票はグループの意思決定のための選好集約行為の一つであり、 多数代表制(Plurality voting)は、多数の投票者の選好を集計するための方法として最も一般的に使われる。 また、オンライン投票は以下の点で重要であるとされている。

  • 人々の選好や投票行動の集約すための、コンピュータ化したシステムの利用増加に反映できる
  • 文脈による影響を抽象化した制御環境を構築できる
  • クラウドソーシングを用いて大規模な実験を実施できる

投票に関する既存研究

 既存研究において、理論研究(Theoretical work)と実験研究(Experimental work)の2種類が存在する。

  • 理論研究(Theoretical work)
    完全に独立しているわけでないが、以下のようなモデルが存在する。
    • ゲーム理論モデル: 効用と合理性に基づく投票均衡概念を導出する
      • Myerson and Weber model
      • trembling hand equilibrium (摂動完全均衡)
      • strong equilibrium (強均衡)
      • subgame-perfect equilibrium (部分ゲーム完全均衡)
    • 決定理論モデル: 単一投票者が直面する戦略的決定と適用する経験則に焦点を当てる
      • simple best-response and other myopic heuristics
      • complex decision diagrams
  • 実験研究(Experimental work)
     本研究のように、実験を用いて分析を行う。

 本研究は、反復的な設定のもと人間の投票者がMBR* もしくは他の経験則を取る状態に関する研究である。
Myopic best-response (MBR, 近視的な最適反応)はナッシュ均衡に収束することが証明されている

人々の投票行動とは

 政治学、経済学、ゲーム理論、計算的社会選択(computational social choice)などにおいて 人々は正直に投票を行わない とされるが、人々がとる戦略と環境が戦略に及ぼす影響は明らかでない。
※ 正直な投票とは、自身にとって一番好まれる投票先に投票すること。

 人々の投票行動を理解するためには、

  • 人々の根底にある選好に関する知識
  • 人々の投票行動に関する知識

を必要とするが、実験における設定と戦略的な投票を双方含んだ選好プロファイルが公開されていない。
※ 参考: {PrefLib}: A Library for Preferences

  • どのような投票戦略がされ、投票戦略に影響を及ぼす環境要因は何なのか?
  • 投票者がどのように投票すべきか?

以上のような点で研究が必要とされる

 本研究における目標は、投票設定と戦略的な投票行動のギャップを埋めること。 本研究により、以下の利点がある。

  • 投票システムより、人々の投票支援に用いることができる。
  • MAS(Multi-Agent Systems)におけるエージェントの設計を容易にすることができる。

本研究における実験について

 2種類の投票ゲームを用いた実証実験を実施し、投票者の選好と投票行動の間の関係性を分析する。

  • Poll Voting: 一回の投票機会のあるシナリオ
    • 投票者は、他人の投票による事前投票結果を参照することができる
      f:id:farma_11:20171222111910p:plain
      Poll Votingのゲーム画面(本論文から引用)
  • Iterative Voting: 結果が出るまで自由に投票先を変えられるシナリオ
    • 投票者は、他の投票者の現在の投票状況を把握できる
    • 最終的な投票がいつになり、投票結果がどうなるのかは把握できない
      f:id:farma_11:20171222111915p:plain
      Fig 2. Iterative Votingのゲーム画面(本論文から引用)

 どちらの設定でも、

  • 投票者にはプライベート情報である選好が割り当てられる
    → 選好には候補セットに対して優先順位が与えられている
  • 利用可能な情報と、投票者の投票行動を記録する
    → 投票時の情報を変化による、投票行動の変化を確認する

本研究から得られる知見

全体に対する知見

  • どちらのゲームにも常識的なデフォルト行動がある
    • Poll voting : 最も好ましい候補に投票する
    • Iterative voting : 同じ候補に投票し続ける
  • 戦略的な投票行動では、MBR(近視眼的最適反応)をとる
    • Poll voting : あまり好ましく無いがより人気な候補に妥協する
    • Iterative voting : 最終ラウンドの場合はとにかく利益を最大化できる候補に投票を変える
  • 投票行動の種類ごとに3つにグループ分け可能
    • A: ランダムに投票(少数, 予測困難)
    • B: 常に最も好ましい候補者に投票(予測可能)
    • C: 戦略的な投票行動をとる集団(最大多数, 行動が複雑)

グループC: 戦略的な投票行動をとる集団に対する知見

  • Poll voting
    • 65-70%の投票者は最も好ましい候補が最下位の場合、2番目に好ましい候補に投票する
    • 最も好ましい候補が2位だった場合、少数の投票者は調査でトップの候補に投票する
  • Iterative voting
    • 投票先がMBRと同じとき、グループCの90%は投票を変えない。
    • MBRに基づいて投票先を変更した方が良い場合
      • グループCの35%は投票を変えない.
      • グループCの35%以外は、MBRに基づき投票先を変更する

どんな投票行動がいいのか

 情報や選好を投票行動に直接変形するような関数はないが、単純なヒューリスティクスやパターンは存在する。

  • 投票者の平均獲得報酬は最初のポジションとグループによって決まる
  • LoserよりもWinnerのほうが平均獲得報酬は高い
  • グループA(ランダム)は報酬が低い
  • グループBとCはほぼ同じ報酬を得る
    → 常に正直であるのとMBRに従うのではどちらがいいかは明言できない

本論文を読んだ感想


 投票はグループの意思決定のための選好集約行為であるため、人々が自身の選好に従って正直に投票することが望まれる。 一方で、正直に投票せずに戦略的に投票することは、自身の効用を高めるという点で合理的である。 これは、単なるアンケート調査とは異なり、投票の結果が投票者に対して影響を及ぼすという点が大きく感じた。

Mercari BOLD Internship 2017 参加記録 -Arizona州-

本記事について


 Mercari, Inc. の BOLD Internship 2017 にてアメリカのアリゾナ州に行ってきました! 本記事は、アメリカ自体初めての中、活動を行なった6泊8日の期間について雑記となります。面白い内容を思い出し次第、追記していきます。

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Mercari BOLD Internship 2017 in Arizona

ちなみに、第一回 BOLD Internship にてアリゾナ州に行った方のブログ記事もあるのでご参考にどうぞ
参考: メルカリ(Mercari)のインターンでアメリカに来たのでレポートします。

アリゾナにはどんな人たちが、どんな生活をしているか


1. アリゾナ州立大学(ASU: Arizona State University)には活動的な学生が多い

 州都フェニックス(Phoenix)のテンピ(Tempe)は ASU のメインキャンパスがあり、広い範囲をASU関連で占められている学園都市です。 フェニックスにある各バス停には、ASU に関する新聞が置かれていたりと地域に密着している様子です。

参考: アリゾナ州立大学(Arizona State University -- Tempe Campus)- アメリカ大学ランキング

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Cartel Caffe Lab - ASU の学生が集まるカフェ -

 スターバックスCartel Caffe Lab といったカフェで、多くの学生が課題や勉強をしています。 課題や勉強を行なっている学生が多いため、本インターシップ活動としてヒアリングに協力できそうな人は限られるものの、 比較的好意的に対応をしてくれた人が多く助かった。 カフェの従業員の方にも協力をしていただき、短時間で充実した活動を行うことができた。

 また、勉強だけでなく多くの学生がパーティを楽しんでいたりするそうで、アメリカ国内でも有数な "パリピ大学" との呼び名があったりするそうです。 さらに、ASU は学生のインターンシップへの参加にも力を入れているようだ。インターシップを経験しないと卒業できないという話を聞くほど(ソース未発見)。

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ASUがMost innovative universityへ(COLLEGE TIMESより)

 学業や遊び、そして今後のキャリアを見据えた活動など、ASU の学生は活動的であると感じた。 実際に、U.S. News and World Report より2017年の最も革新的な大学と再度選ばれている。

ASU students never hesitate to showcase their Sun Devil spirit, and the continued ranking has evolved into yet another way for them to flaunt the university's excellence.

参考:

 そんなASU の学生や教員の人たちへは、 ASU の公式ページ: ASU People Search - iSearch から連絡先を検索することができる。 "Japanese"と検索をかければ、日本人学生や日本語を学習している学生、日本語を教えている教員などのリストが表示される。 もちろん、教員にコンタクトを取るときは、「〇〇先生」や「Prof. 〇〇」など敬称をつけるなど、礼儀を忘れずに。

2. アリゾナにある日本文化

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Japanese Market in Phoenix

 Japanese Marketでは、日本のいろいろな商品を売っている Fujiya Market や、 日本人の一家が中心に経営している洋菓子屋である Arai Pastry があったりします。 特に、イチローが利用するという Arai Pastry では、わざわざラスベガスから片道4時間以上かけて買いに来る人がいたりするそうです!

参考: イチローがお取り寄せするベーカリー アライ・パストリーの評判 - 地球の歩き方

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Japanese Market には Fujiya Market, Arai Pastry などのお店がある

 日本人従業員の方も多く、日本の商品も買うことができ、フェニックスに訪れた際には一度訪問してみるといいと思います! 丁度、Thanksgiving Day の周辺の連休であったため客足が少なかったらしく、従業員の皆さんにはいろいろな話を聞くことができ、大変お世話になりました。 インターンシップのために自作したチラシも Fujiya Market 店内の掲示板にも貼らせていただいたりもしました。

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その他、日本文化が垣間見れた(?)もの(左図は Shark"Ninja" ブランド)

 また、アリゾナには ARIZONA MATSURI という日本文化に関する祭りがあったりするそうです。 これは是非とも参加したかったなぁ。

3. アリゾナの人はあまり新しいサービスを利用しない??

 Japanese Marketの方が、「アリゾナの人は、新しいサービスに対して消極的」とのことを言っていました。 確かに、いろんな人と話していても、世界的にメジャーなサービス(FacebookAmazon など)以外に、新しいサービスを利用している人があまりいない印象でした。 また、洋服のおしゃれを気にする人も少ないという現地の日本人留学生が言っていました。

 これらについては、もっと確認していく必要がありそうです。

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Goodwill in Arizona
 もちろん、アメリカ独特のサービスを利用している人はいます。例えば、不用品を寄付することができ、寄付された商品を安価で購入できる Goodwill は健在です。

 以下は、店内に掲示されていた「it's only fair」という Goodwill の宣言です

Since our goods come from public donations, it is only fair that every customer has an equal opportunity to purchase any item for sale here. [...] Nor may merchandise be reserved or set aside for anyone.
(私たちの商品は公な寄付から来ており、すべての顧客が平等に商品を購入する機会があります。 (中略) 商品を予約したり、誰かのためにとっておいたりすることはできません。)

その他、感じたこと


1. Thanksgiving Day というイベントがある

 アメリカとカナダでは、Thanksgiving day(感謝祭)という祝日が設けられている。 アメリカでは11月の第4木曜日(2017年は11月23日)に祝日が設けられ、日曜日までの4日間休日である人が多いようだ。 ちなみに、翌日である金曜日はThanksgiving dayの売れ残りを一掃するための Black Friday という大安売りの日がある。

Thanksgiving is the perfect time for families to come together and celebrate their blessings with a carb-loaded meal and a full day of shopping.
(家族が集まり、炭水化物を含む食事や丸一日かけた買い物によって、祝福を祝うには、感謝祭は絶好の時間です。)
- STUDENT LIFE, 11 things you probably didn't know about ... how to get through Thanksgiving with your family, COLLEGE TIMES Magazine, Nov. 16 - Dec. 20, 2017

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Magazines (Thanksgiving Day & Black Friday)

 多くの人々は家族で休日を過ごすため、大学生が帰省したり、家から出なかったりして街に人通りが少ない。 実際に、お店に来店するお客さんも少ないと、Arai Pastry の方がおっしゃっていました。

TODO: * Thanksgiving DayやBlack Fridayに関する現地の記事に関する記述

2. 人々の移動手段の中心は自動車

 とにかくアメリカは広い。日本と同じ感覚で地図を眺めていても縮尺が異なって移動が結構大変だったりした。 実際に、バス停で一緒にバスを待ったある高齢の男性も「ここではみんな車で移動しているんだ。バスはあまり乗らない。」と言っていた。

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アメリカは広い(左図は The True Size Of ... より 日本とアリゾナ州の面積を比較したもの)

 自動車中心の交通であるためか、コンビニとガソリンスタンドが併設されたお店を頻繁に見てきた。 ただ、ガソリンスタンドの使い方が日本とは異なるため注意!日本のクレジットカードだとZIP CODEの入力ができず、併設のお店で直接会計を済ます必要があります。 ちなみに、先払いです。
参考: アメリカのガソリンスタンドで日本のクレジットカードが使えない!

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ガソリンスタンドが併設されたお店

 また、以下の資料に、アメリカの交通事情とアリゾナ州が取り組んでいる交通安全対策についてまとめられている。
参考: 泉典宏, 大口敬: "Road Safety・世界の知見 ❹ アメリカ合衆国における交通安全施策~自律的な安全意識の醸成,キャンペーン,連携・協働~", 日本道路協会, 2013.

 ちなみに、フェニックスからグランドキャニオンへ行くためにレンタカーを借りて行ったときに、Google Mapをカーナビ代わりに使っていました。 しかし、グランドキャニオン周辺ではwifiルータの接続が悪い上に、片道で4, 5時間かかったりして充電が足りなくなるなど、問題がいろいろありました。

3. 病院には日本語で通訳してくれる人がいた

 インターシップ中に、一度病院に搬送されるという出来事が起きました。 現地で仲良くなった友達に助けられ、どうにか病院に搬送されたものの、まともに英語で対応できる気力が残ってないという問題がありました。 実際に現地の友達も、医師の話す単語に専門用語が多いのか難しいとのこと。

 そんな中、遠隔地からの音声通話形式で日本語の通訳者が仲介し、自分自身の症状を説明することができました。
参考: Q1.医療通訳を頼むとお金がかかるの? - アメリカ医療通訳者のブログ アメリカの医療通訳制度について

医療通訳は、多くの病院で、無料で付けてもらえる。(中略)但し、連邦政府から補助を受けていないような、個人経営の小さなクリニック(スーパーに併設しているメガネを処方する検眼医など)では通訳を無料で受けられないこともありますので注意して下さい (上記ブログより)

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感想


 まず第一に、アリゾナ現地の方々との交流が単純に楽しかったです。  アリゾナ現地の人たちは陽気な方が多く、「俺らは親友だ!」と帰国後にもメッセージを送ってくれた方もいました。 バスを待っている間のバス停や、バスやシャトルの中、カフェなどいろいろな人に積極的に話しかけましたが、多くの人は笑顔で接してくれました。 特に、「Actually, this is the first visit in America!」と告げると、歓迎してくれる人々が多かったです。 (もちろんそんな人々も、「悪い人もいるから気をつけて」と言ってはいました。)

 もともとそこまで英語自体は得意ではなかったものの、比較的容易に会話を交わすことができ、いい英語の練習にもなりました。 ヒアリング活動以外にも、レンタカーを借りる際も、観光ツワーに現地で申し込む時も、英語で聞きたいことをちゃんと聞くこともでき、ここで生活することが少しはできそうだなと自信がつきました。

 日本とは異なることが多く、それゆえにストレスを感じることもありましたが、異なるからこそ新鮮で面白いと思います。 特に、今回はインターンシップとしての目的を持って生活したためか、よりその違いを感じることができました。 今回得た経験を今後の自分の活動の糧としていきたいです。

レビューサイト まとめ

レビューサイトの概要


レビューサイトとは

 レビューサイト(口コミサイト)とは、事業やサービスなどのレビューを投稿できるサイトのことを指す。 主にユーザの視点から評価したものをまとめて5つ星でレーティングしているものも多い。

 オンラインにおける口コミは eWOM: online word-of-mouth とも呼ばれ、オンラインにおける消費者レビューに関する研究は多くなさてている [1],[2]。 また、レビューサイトは消費者の購買行動に影響力を持つという研究もされている [3]。

 近年急激にインターネットが普及し、様々な人が簡単に意見を発することができ、様々な情報を簡単に入手できるになった。 そのような環境変化に従って、既存のマスメディアの影響力が相対的に低下し、eWOMの影響力が相対的に向上していることも確認されている。

 以上の調査や研究から、レビューサイトに投稿されているレビューやビジネスに対する評価は、 単純に過去のビジネスの評価だけではなく現在以降のビジネスへの影響があり、ブランドマネジメントなどに活用できると考えられる。

各種レビューサイトについて

Trustpilot
  • 登録企業を無料でリストアップして宣伝しているが、追加プロモーションには料金がかかる。
  • ユーザ、レビューされたビジネス、及び疑問のあるレビューを報告し、独自の裁量で削除できるソフトウェアに依存したシステム。
  • 日本語やフランス語など、計25国に対応している。
Sitejabber
  • 信頼あるオンラインビジネスを見つけ、詐欺を避けるためのプラットフォーム
  • 総合的な星評価によってレビューを書く → サービス, 価値, 出荷, リターン, 品質
Reviewopedia
  • ユーザーがWebサイト、製品、またはサービスプロバイダに関する意見を共有できるプラットフォームを提供
Better Business Bureau (BBB)
  • 市場の信頼を高めることに焦点を当てた非営利団体で、北米の40万近くの地場企業がBBBをサポートしている
  • ビジネスがどのように顧客と相互作用する可能性があるかに関するBBBの意見としてBBB ratingを表現している
    LETTER RATING SCALE
    : NR (No Rating) - F (最低), D-, D+, C-, ..., A-, A+ (最高)
  • BBB Accreditation Standards : ビジネスの信頼を創造し、維持するための重要な要素を要約する8つの原則に基づいたBBBのビジネス基準

各サイト比較


各サイトに対する5つ星評価

 各レビューサイト自体の評価を、レビューサイトでどのように評価されているかを確認した。

Trustpilot Sitejabber Reviewopedia BBB
Trustpilot ★4 (33,045) ★2 (47) ★1 (2) ★3.23 (6),
Rating: A-
Sitejabber ★3 (23) ★4 (848) --- ★3.68 (1),
Rating: A+ (BBB認定)
Reviewopedia --- ★1 (5) ★3 (7) ★1 (1),
Rating: F
BBB ★3 (1) ★2.5 (73) --- ---,
Rating: NR

※ ( )内の数は、レビューの数を示す.※ --- は評価データが無いことを示す.
※ 2017/11/17 閲覧時の情報に基づいた情報をまとめている.

 比較した結果、BBBを除いて自サービスの評価が他サービスの評価より高いことが見受けられる。 特に、Trustpilotにおいては自サービスに対するレビュー数が桁違いに多いことが特徴的である。

 また、Sitejabberに対する評価が★3以上であり唯一BBB認定を受けていることから、他のサービスと比較して高い評価を受けているようだ。 一方で、Reviewopediaに対する他サイトの評価が低いことが見受けられるが、そもそもReviewopediaに対するレビュー自体が少なく、評価自体が難しい。

参考: 参考にした既存調査のまとめ


[1] Zhu, Feng, and Xiaoquan Zhang. "Impact of online consumer reviews on sales: The moderating role of product and consumer characteristics." Journal of marketing 74.2 (2010): 133-148.

 ビデオゲーム業界のデータを使用して、製品および消費者の特性がオンライン消費者のレビューによる製品販売への影響をどのように緩和するかを検証している。 論文中において、オンラインでのレビューは、以下の場合により影響力があると示している。

  • ゲーム自体に人気がない場合
  • ゲームのプレイヤーがインターネット経験が豊富である場合

 論文では、同じ製品カテゴリの製品間での消費者レビューの差異の影響を示しており、 企業のオンラインマーケティング戦略は製品と消費者の特性に左右されるべきであることを示唆している。

The findings indicate that online reviews are more influential for less popular games and games whose players have greater Internet experience. The article shows differential impact of consumer reviews across products in the same product category and suggests that firms' online marketing strategies should be contingent on product and consumer characteristics.

[2] Chern, Ching-Chin, et al. "A sales forecasting model for consumer products based on the influence of online word-of-mouth." Information Systems and e-Business Management 13.3 (2015): 445-473.

 過去の研究から、オンライン口コミ(eWOM)と商品販売の間には強い関係があることが示されている。しかし、商品のカテゴリーによって口コミの影響は異なる。

 この論文では、オンラインレビューの特性、レビューアの特性、およびレビューの影響を分析することによって、電子的な口コミが商品販売にどのように影響するかを理解することを目的としている。

This also suggests that e-commerce and physical channels should view online WOM as a type of virtual currency that can make or break their products.

[3] comScore: "Online Consumer-Generated Reviews Have Significant Impact on Offline Purchase Behavior", (2007)

 2,078人の米国インターネットユーザーを対象とし、2007年10月12 - 18日の間に、comScore, Inc.とKelsey Groupの共同で行った調査がまとめられている。 得られた知見として、

  • 2,078人の内、508人(24.4%)が、サービスの料金を支払う前にオンラインレビューを使用していることがわかった。
  • また、5つ星評定の場合、★4サービスより★5サービスに対して、20% - 99% の範囲でよりお金を払う意思があることもわかった。
その他の文献

 以下の文献は、内容に関する私の個人的な整理がついていないもの。後日、整理して記事に追加されるかも。